Release: 1980
Label: Epic Sony / エピックソニー (25-3H-19)
Genre: J-Rock / ニューウェーブ
Jacket: 帯付き(赤帯)。デビューアルバム。
はっぴいえんどが1970年代初頭に切り開いた「日本語でロックを歌う」という命題を、佐野元春は1980年にまったく別の回路から引き受けました。桑田佳祐と並び、はっぴいえんどの問いを演繹し弁証した世代のアーティストとして。
Rock'n'Roll、beatnik、ボブ・ディラン、フィル・スペクター、J.D.サリンジャー、ビートルズ——胸の中にあるものをすべてぶつけた、YOUNG&FRESHな真っさらのデビュー作です。大瀧詠一以後のJポップの流れの中に確かに立ちながら、詞の世界ではビート詩の密度と洋楽への憧憬が剥き出しになっている。編曲に伊藤銀次と大村雅朗を迎え、1980年1月から3月にかけて録音された本作は、そのまま時代のターニングポイントになりました。
当時のリスナーが口を揃えて言ったのは「日本語なのに外タレみたい」という感覚。それは違和感ではなく、純粋な驚きと興奮でした。
■ 全曲案内
A1. 夜のスウィンガー(編曲:伊藤銀次)
アルバムの幕開け。夜の街を駆け抜けるようなエネルギーで始まります。伊藤銀次の編曲がバンドサウンドを鋭く引き締めています。
A2. ビートでジャンプ(編曲:伊藤銀次)
タイトルそのままの疾走感。日本語のシラブルをビートに乗せる佐野の方法論がここで全開になります。
A3. 情けない週末(編曲:大村雅朗)
大村雅朗の編曲による都会的なミッドテンポ。週末の倦怠感と焦燥感が同居する、このアルバムの中で最もソングライターとしての素顔が見える曲です。
A4. Please Don't Tell Me A Lie(編曲:伊藤銀次)
英語タイトルが示すとおり、もっとも「外タレ感覚」に近い仕上がりです。伊藤銀次の編曲が洋楽的なグルーヴを前面に出しています。
A5. グッドタイムス&バッドタイムス(編曲:大村雅朗)
大村雅朗によるスケール感のあるアレンジ。喜びも悲しみも飲み込んで前に進む、というテーマがストレートに伝わってきます。
B1. アンジェリーナ(編曲:大村雅朗)
このアルバムの、そして佐野元春という名前の代名詞となった一曲。大村雅朗の編曲とバンドのグルーヴが完璧に噛み合った瞬間がここに記録されています。日本のロック史において外すことのできない一曲です。
B2. さよならベイブ(編曲:大村雅朗)
「アンジェリーナ」の後に置かれた切ないナンバー。感情の振り幅の広さが佐野のソングライターとしての強さです。
B3. バッド・ガール(編曲:大村雅朗)
ニューウェーブ的なエッジが最も際立つ一曲。大村雅朗のアレンジがクールに仕上げています。
B4. Back To The Street(編曲:伊藤銀次)
タイトル曲。街へ戻れ、という宣言がそのまま音になっています。伊藤銀次の編曲がストリート感覚を研ぎ澄ませています。
B5. Do What You Like(勝手にしなよ)(編曲:佐野元春)
アルバムのクローザーは佐野自身の編曲。「勝手にしなよ」という言葉を解放感とともに投げかけて幕を閉じます。
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A5「グッドタイムス&バッドタイムス」とB1「アンジェリーナ」をあわせてどうぞ。