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In The Skies(A1)— ピーター・グリーン復帰作のタイトル曲
A1 In The Skies / A2 Slaybo Day / A3 A Fool No More / A4 Tribal Dance
B1 Seven Stars / B2 Funky Chunk / B3 Just For You / B4 Proud Pinto / B5 Apostle
フリートウッド・マックを率いたピーター・グリーンが、1970年の脱退から実に8年もの沈黙を経て世に送り出した復帰作です。録音は1977年秋、リリースは1979年5月。長い空白の理由は、薬物問題と精神的な不調による療養生活でした。当時を知る人々の間でさえ「あのピーター・グリーンが本当に戻ってくるのか」と半信半疑だったと伝えられています。きっかけを作ったのは、グリーンの兄マイク・グリーンでした。彼はピーター・ヴァーノン・ケルが設立した小さなレーベル、PVKレコードでプロモーション業務に携わっており、その縁で弟をヴァーノン・ケルに引き合わせます。ここから、誰の干渉も受けない自分のペースでの復帰作りが始まりました。
プロデュースはピーター・ヴァーノン・ケル本人。演奏陣には旧知の仲間たちが集まっています。鍵盤を弾くピーター・バーデンス(後にCamelを結成)は、実はグリーンが最初に在籍したバンド「Peter's Bees」を率いていた人物で、二人の関係はグリーンの音楽人生の出発点にまで遡ります。リード・ギターを分担したスノーウィ・ホワイトは、当時すでにピンク・フロイドのセッションに参加し始めていた時期で、本作の後にThin Lizzyへ正式加入することになります。ホワイト自身の証言によれば、グリーンは「お前がリードを弾いてくれ」と持ちかけ、最終的に二人で分け合う形に落ち着いたといいます。長いブランクの後、自分の腕に確信を持てなかったグリーンの心境がうかがえる逸話です。使用ギターも興味深く、レス・ポールのイメージが強いグリーンですが、本作では1965年製フェンダー・デュオソニックを手にしています。
ジャケットには雲をモチーフにした見開きのインレイが付属し、歌詞とクレジットを記載。グリーンの妻ジェーン(J.S.グリーン)が複数曲の作詞を手がけているのも特徴で、夫婦での再起がうかがえる一枚です。
■ 全曲案内
In The Skies / 作詞: J.グリーン・作曲: P.A.グリーン
復帰作の幕開けにふさわしいタイトル曲。静かなギターと穏やかなヴォーカルから始まり、長い沈黙を抜けた安堵がそのまま音になったような一曲です。妻ジェーンによる歌詞も、本作のパーソナルな性格を象徴しています。
Slaybo Day / 作曲: P.A.グリーン
リード・ギターをスノーウィ・ホワイトに譲った楽曲のひとつ。グルーヴ感のあるリフが繰り返され、フロート感のあるジャム的な展開が魅力です。
A Fool No More / 作曲: P.A.グリーン
グリーン自身が歌う本作随一のスロー・ブルース。実はこの曲、最初のフリートウッド・マックのアルバム用に書かれていた楽曲だったと言われています。マック時代を思わせる歌唱とギターは、復帰作の中でも最もグリーンらしさが濃く出た一曲です。
Tribal Dance / 作曲: P.A.グリーン
パーカッシヴなリズムが効いた、サンタナを思わせるトラック。バンド全体のグルーヴが際立ちます。
Seven Stars / 作詞: J.グリーン・作曲: P.A.グリーン
ジェーンの作詞による一曲。落ち着いたミッドテンポで、静かな説得力を持つメロディが続きます。
Funky Chunk / 作曲: P.A.グリーン
タイトル通りファンキーな質感のインスト寄りトラック。バンドの一体感が楽しめます。
Just For You / 作曲: P.A.グリーン
深いエコーのかかったヴォーカルが印象的な一曲。本作の中でも実験的な質感を持つトラックです。
Proud Pinto / 作曲: P.A.グリーン
タイトル曲・Tribal Danceと並んでサンタナ的なリズム・セクションが効いた楽曲です。
Apostle / 作曲: P.A.グリーン
アルバムを静かに締める一曲。グリーンの感性とソングライティングの繊細さが滲み出る、美しいクローザーです。
中古盤につき、盤面の細かなスリキズ等により再生時にノイズが生じる場合がございます。予めご了承ください。