Release: 1980
Label: RCA / RVC Corporation (RHL-8503)
Genre: J-Pop / シティポップ / AOR
Jacket: 帯なし。インナースリーブ(歌詞付き)あり。
1980年リリースの3rdアルバムです。Side AはロサンゼルスでJay Graydon、David Foster、Jeff Porcaro、David Hungate——後にTOTOを結成するメンバーを中心としたリズムセクションと録音されています。Side Bは東京録音。
山下達郎がまりやのメインプロデューサーとなる『VARIETY』(1984年)以前、この時期の達郎はまだ一作家・ミュージシャンとして楽曲ごとに関わる存在でした。だからこそこのアルバムでは、LAのスタジオ職人たちが主導する音作りがそのまま前景化しています。GraydonとFosterの編曲が生み出すグルーヴと音の質感が、まりやの声をまったく別の角度から照らし出した、唯一無二の一枚です。竹内まりや作品の中でこれをベストに挙げるリスナーが後を絶たないのは、そのためだと思います。
■ 全曲案内
A1. Sweetest Music(作曲:David Lasley / 編曲:Jay Graydon & David Foster)
アルバムの幕開けです。GraydonとFosterによる編曲がまりやの声を包み込むように展開する、LA録音サイドの名刺代わりの一曲。
A2. Every Night(作曲:山下達郎 / 編曲:Greg Mathieson)
LAサイドを担う山下達郎作曲ナンバーのひとつ。編曲はGreg Mathiesonが担当しています。達郎の曲がLAのスタジオ職人の手を経ることで、独特の浮遊感が生まれています。
A3. Morning Glory(作詞・作曲:山下達郎 / 編曲:Jay Graydon & David Foster)
同じく達郎作詞・作曲ですが、こちらの編曲はGraydon & Foster。達郎は自身のライナーノーツで「自分でアレンジしたかったが、LAでFosterにアレンジされた。いかにもAORという感じ」と書き残しています。その「いかにもAOR」こそがこのアルバムの旨味です。
A4. Secret Love(作曲:Marc Jordan / 編曲:Jay Graydon & David Foster)
カナダのSSW、Marc Jordan作曲。GraydonとFosterのアレンジが最も映える一曲で、AORとしての完成度が際立ちます。
A5. Heart to Heart(作曲:竹内まりや & Roger Nichols / 編曲:Jay Graydon & David Foster)
まりやとRoger Nicholsの共作。「We've Only Just Begun」で知られるNicholsがこのアルバムに残した痕跡。繊細なメロディラインが美しいです。
B1. 二人のバランス(作詞・作曲:竹内まりや / 編曲:林哲司)
東京録音サイドの幕開けです。林哲司の編曲で、日本語詞のまりやが帰ってきます。
B2. 遠く離れて — When You're So Far Away(作詞・作曲:竹内まりや / 編曲:戸塚修)
まりや自身の言葉と旋律による、このアルバム最大の聴きどころのひとつ。戸塚修の編曲がシンプルに支えています。
B3. 雨のドライブ(作詞・作曲:竹内まりや / 編曲:林哲司)
雨の夜の情景をそのまま音にしたような一曲。林哲司の都会的なアレンジが合っています。
B4. Farewell Call(作詞・作曲:竹内まりや / 編曲:清水信之)
アルバムのクローザー。清水信之の編曲による落ち着いた仕上がりで、LA録音サイドの高揚感とは対照的な静けさでアルバムを締めます。
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A1「Sweetest Music」とA2「Every Night」をあわせてどうぞ。